仮想通貨「ビットコイン」の現状と未来について。

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1、ビットコインは「破綻」したのか

インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」。先日、その大手取引仲介会社「MTGOX(マウントゴックス)」が経営破綻しました。主な理由は、ハッキングによって多額のビットコインなどが消失し、債務超過に陥ったこと。

2月28日に財務相・金融相の麻生太郎さんは、記者会見で「こんなものは長く続かないと思っていた。どこかで破綻すると思っていた。」と発言。これだけみるとビットコインというシステム自体が破綻したような印象を与えますが、破綻したのは取扱所、仲介屋さんなのですね。もちろん、ビットコインのシステムに欠陥があったからハッキングされたわけですが。

これで終わりなんて単純なことではないのは麻生さん自身も認識しています。同じ会見での「日本で何とかせねばならない。自民党でも研究している人がいたので、早急に詰める」との発言は、今後の影響力も想定していることを示していると言えるでしょう。

3月11日にニューヨーク州金融サービス局が、ビットコイン取引所の開設申請を正式に受け付けることを発表しました。現在の日本では、直接的にビットコインを購入できる取引所は無くなっているわけですが、そう遠くない未来に、ビットコインが買えるATMが登場するという動きもあったりします。

2、そもそもビットコインって?

もうすでにビットコインに関する沢山の記事が存在しているのですが、このブログは自分の頭の整理も目的のひとつでもあるので、一応、ビットコインの説明を書いときます。

ビットコインは既存の金融機関に依存することなく、個人間の電子マネー取引を実現するシステムであります。その最大の魅力とされるのは、決済時にほとんど手数料がかからないというところ。特に海外への送金などをメガバンクを通じて行うと結構な手数料が生じるので、国境を越えたお金のやり取りには特に重宝がられています。

そのビットコインの利用者が増えたきっかけとなったのが、2013年3月のキプロス危機です。ギリシャ危機の余波を受け、キプロスの銀行融資や債券投資に大きな損失が発生しました。その時、キプロス政府は銀行を救済するために国民の預金を一部強制徴収。そのため、自国の貨幣の信頼が失われたのです。そこで、キプロス市民がビットコインに関心を向け出したのですね。

この流れはキプロスだけに留まりませんでした。経済状況が良くないスペインをはじめ、欧州全域に広がっていきます。さらには、管理通貨である「人民元」に不安を抱く中国の人たちの支持も受け、急激に広まっていくことになる。

そして、このような仮想通貨の広がりに、多くの起業家たちも関心を寄せ始めます。インターネット初期のブラウザー「ネットスケープ」の開発者であるマーク・アンドリーセン氏。フェイスブック立ち上げを巡るマーク・ザッカーバーグCEOとの訴訟で知られるウィンクルボス兄弟。そして、今や世界のインフラのようになっているGoogleも、仮想通貨のシステムを如何に自らの内に取り込むかということを考えているようです。

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仮想通貨であるビットコインは、ネットでの取引のほかにも実店舗での使用も可能です。QRコードをスマホで読み取ると、簡単に決済できる仕組みもあります。現在の日本では、まだビットコインを実店舗で使用できるのは、六本木のレストラン「ピンク・カウ」の一カ所くらいしかないですが、もう少ししたら話題作りのためにも導入を検討するお店も増えてくるのではないでしょうか。地域通貨とかポイントカードの延長線にあるものとして受け入れられやすいかもしれません。

3、ビットコインの入手方法

今のところ、ビットコインを入手する方法は2つあります。ひとつは、取引所から購入する方法。今は日本唯一の取引所が潰れちゃったので、国内では実質できなくなっていますね。そして、もうひとつは、ネット上で「採掘」する方法です。

「採掘」っていうのは、ゴールドラッシュのイメージですね。具体的には、コンピュータを使ってビットコインの取引が正しく行われたことを検証することになります。ビットコインを入手したい人がコンピュータとソフトウエアを用意して、競争で検証に取り組み、先んじて取引の検証に成功することでビットコインを受け取ることができるという仕組みになっています。ちなみに「採掘」する人は「炭鉱夫」と呼ばれているそうです。また、価値を担保するために総額2100万ビットコインまでしか「採掘」できない設定となっています。

この「採掘」によって供給されるビットコインは、検証への報酬になると同時に、ネット上の市場に新しく通貨を供給する役割も持っています。

そういえば、ゲームに変換された労働を行うことで収入が発生する世界を描いた小説があったように思うのですが、それに近いものがありますね。

4、ビットコインの問題点と課題

もちろん、ビットコインには問題や課題もあります。

ハッキングなどの技術的な問題はもちろんのこと、マネーロンダリングなどの犯罪の温床になっていることも確かです。通貨の価値が安定しにくいのも問題点として指摘できるでしょう。

あと、国家というシステムとの兼ね合いもあります。通貨の発行権は、国家にとってすごく重要な特権なのです。この特権があるからこそ、国家は経済をコントロールすることができる。その特権を民間企業などが持とうとすることは、国家の権益に抵触することになる。現在、ドイツやシンガポールは容認。中国、インド、タイはビットコインを禁止。米国やフランスは警告状態、といった流れですね。そして、日本では課税も含めて対策を考えているようです。

まだまだ仮想通貨は発展途上の状態にあり、これからビットコインだけでなく様々な仮想通貨同士の競争が盛んになっていくことが予想されます。その中でどのようなものが残っていくのかはわかりませんが、国境を無化するという流れはグローバル化やインターネット化していく世界の中で、ひとつの必然として考えることもできるのではないでしょうか。ただ、現在、大きな力を持っているシステムやそれを支えている組織の中抜きを超えていく運動でもあるので、様々なコンフリクトを起こしながら、まずはそれぞれの国家において、落とし所を探っている状態に見えます。

photo by: antanacoins

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