カンボジア第二の都市「バッタンバン」。日本人にはあまり知られていないこの街に、竹で作られた乗り合いトロッコ「バンブートレイン」という観光名物があります。これがアトラクションとして西洋人のツーリストたちを中心に人気。ここでは、その魅力の一部をお伝えします。
「バンブートレイン」とは?
「バンブートレイン」は、現地では「ノーリー」と呼ばれている乗り物。もともとはプノンペンとタイを結ぶカンボジア鉄道が廃線となったあと、地元住民の移動手段として利用されはじめました。車体は、竹と木材で作られた長さ4メートル×幅2.5メートルくらいの長方形の荷台で、それを金属製の車輪にのせて線路を走ります。動力は小型のエンジンで後部車輪の上に配置されています。ブレーキは手動。木の棒を使って止める方式です。
基本的には非公式に線路を使っているため危険視する見方もあるようですが、ロンリープラネットやトリップアドバイザーなどの海外のメディアでも紹介されている人気の観光名物になっています。
アトラクションとして魅力的
走り出すとのんびりとした風景が目の前に広がり流れていきます。スピードは時速10キロから20キロ程度。速度だけを聞くとあまり速くないように思うかもしれせんが、座っている場所が地面から近いので体感速度はかなり速く感じます。サスペンションがないので線路を走る振動が直に身体に伝わってきます。とくに線路のつなぎ目のところは少し段差があるので、車体が「ガコン!」と激しく跳ねてまるでまっすぐ走るジェットコースターのよう。
ルートは「オゥドゥボン村」を出発点として「オースロラウ村」まで。そこで引き返して「オゥドゥボン村」に再び戻っていきます。片道約20分ほど。「オースロラウ村」で20分くらい休憩するので、往復でだいたい1時間くらいがトータルの所要時間になります。
反対側からくる車両と鉢合わせたら?
向こうからくる車両と鉢合わせたら、単線なのでどちらかが荷台と車輪を外して線路を空けます。通り過ぎるのを待って、また元に戻すという方式。これがなかなか楽しい作業です。ちょっと安全性について心配になる人もいるかもしれませんが、約30年間、このバンブートレインに従事した運転手の方は、積み荷のヤギが落ちた程度で今までにひどい事故は一度もなかったと話しているそうです。
到着地点では、お土産屋さんやちょっとしたカフェのようなものもあります。ここではバンブートレインの限定Tシャツや地元の子どもたちが作ったミサンガなどを購入することも。
おわりに
この魅力的な「バンブートレイン」の乗車料金は、往復で1人10ドルくらい。一度に乗る人数によって値段は変化するようです。例えば、3人だと15ドル、4人だと20ドル、5人だと25ドルといった感じで、一人分の料金は人数で割るかたちになります。営業時間は、基本的に「9:00~16:00」。この時間は結構あいまいなもののようなので、現地で確認したほうが良いでしょう。出発時間は決まっておらず来た人からを随時乗せていく雰囲気です。
この「バンブートレイン」は公式な線路利用ではないことと新しい鉄道開発の問題から、そろそろ廃線になるという話もあります。どうしても乗ってみたいという人はお早めに。
掲載内容は執筆時点のものです。
2015/08/13 訪問
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