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「7つの丘の街」とも呼ばれるポルトガル・リスボンは、テージョ川の河口に位置する、丘に囲まれたヨーロッパ最西端の首都。この街は観光名所がとても豊富なのですが、そのなかでここで紹介したいのが、「サンタ・ジュスタのエレベーター」です。これがなんとも不思議な魅力をたたえた観光スポット。これに乗るため世界中から多くの観光客が訪れる、そんなエレベーターの魅力をご紹介します。

リスボンの観光名所「サンタ・ジュスタのエレベーター」とは?

「サンタ・ジュスタのエレベーター」(Elevador de Santa Justa)は、リスボンのカルモ通りに位置しています。通称「カルモのリフト」(Elevador do Carmo)と呼ばれ、カルモ広場の登り坂で、バイシャ・ポンバリーナの通りとつなぐ、リスボンの観光名所のひとつ。リスボンには、このようなリフトが他にもあるのですが、そのなかでここだけが唯一の縦型で垂直に立っています。他のものはリスボンの急勾配を登るためのケーブル式。運転を開始したのは、1905年。当初の動力となっていたのは、蒸気エンジンでした。電気式となった現在も、最上階からの眺望を楽しめるため、多くの人びとに親しまれています。2台あるリフトは、カウンターバランス式の格調高いデザイン。木製の羽目板と鏡も歴史を感じさせる作りに。

このエレベーターを設計したのは、フランス系ポルトガル人の建築家、ラウル・メスニエル・デ・ポンサルド。彼は、パリのエッフェル塔を手がけたギュスターヴ・エッフェルの弟子。たしかに、優美なその姿は、エッフェル塔を彷彿とさせる雰囲気。建設工事は、1900年に始まって1902年に終わっています。夜間にはライトアップが施され、さらに華やかさが増しますよ。

リスボンの素晴らしい景色が楽しめる!

45mの高さへとゆっくりと登っていくエレベーターからは、リスボンの街の景色を眺めることができます。エレベーターは鉄製。ポルトガルの建築様式の典型で、金属構造は隣のジュングエイラにある会社で組み立てられました。エレベーターが最上階に到着したら、さらに優美なデザインのらせん階段で登っていきます。登りきると、サン・ジョルジェ城やタグス川を見下ろす展望台が。そこからは、クラシカルで情緒溢れるリスボンの街を一望できます。丘の上にあるペドロ4世広場の噴水やネオクラシカル様式の建物もよくみえます。

現在の旧市街の街並みは復興後の姿

この見事なリスボン旧市街の街並みも、1755年に起きたリスボン大震災による建物の崩壊と火災、その後の津波で壊滅的な被害に遭いました。この大地震で壊滅したバイシャ、シアード地区を、政治家のセバスティアン・デ・カルヴァーリョがときには独裁的な手法も取りながらも、再建に取り掛かりました。その結果、リスボンから廃墟は消えて、秩序だった街に復興していったそう。

その復興によって、現在のリベルダーデ大通りやバイシャ地区の碁盤の目のような通りと、広場のある美しい街並みとなったとのこと。また、エレベータを降りたバイロ・アルトには、大地震で倒壊したカルモ教会は、屋根が崩れた状態で遺構として残されています。

近隣では美味しい名物スイーツ「パステル・デ・ナタ」も食べられる!

また商店街やお土産屋、レストランなどが多い地区なので、ひとやすみしたいときにオススメのエリア。ポルトガルの名物スイーツ「パステル・デ・ナタ(Pastel de Nata)」の有名店などもありますよ。

おわりに

7つの丘の街・リスボンにある「サンタ・ジュスタのエレベーター」。それほどの高さはないのですが、展望台からの一望できる街並みは素晴らしい。エレベーターもアンティークで歴史を感じさせます。公共の交通機関なので、一日乗車券で乗れるのも魅力。単独だとエレベーターと展望台の利用で、おひとり5ユーロになっています。また、展望台の利用の場合は、1.5ユーロとなっています。

坂の街ならではといえる、この乗り物。時期やタイミングによって少し並ぶもしれませんが、それだけの価値はありです。リスボンの街やその歴史を象徴するような観光スポットといっていいでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。
2016/11/14 訪問

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